「怖い絵」展に行ってきました

こんにちは、飯島です。

今回はデザインというよりは、美術の話題になります。

先日、お休みをいただいて上野の森美術館で開催中の「怖い絵」展に行ってきました。

開催を知った時から行きたいな~とは思っていたのですが…ある日曜日、東京での用事を済ませた後に「今どれくらいで入れますか?」と軽い気持ちで問い合わせてびっくり。

「現在120分程お待ちいただいております」

公開から瞬く間に大人気となっていた「怖い絵」展。用事のついでなどという甘い考えで臨んではいけなかったのです。その日は帰りの時間も考えて諦め、それからは公式Twitterからの情報をもとに傾向と対策を練る日々…。BSで特番が放送された時には、「やめてー!!これ以上宣伝しないでー!!」と勝手ながら思ったものです…

そして数週間後、念願叶ってたどり着いた上野の森美術館!平日午前10時!

 

美術館の前は既に長蛇の列…!

待ち時間は80分でした。

寒空の下じりじりと進み、いよいよ展覧会会場へ…

ちなみに来年秋はフェルメールが来るそうです。また混みそうな大物を…(行きます)

「怖い絵」展、詳しい感想は長くなってしまうので割愛しますが、

大変によかったです…!!

「怖い絵」といっても、幽霊やお化けが描かれていて怖い!というものではありません。

(そういう絵もありますが)

直接的な恐怖というよりは、その絵に描かれた物語や、時代背景、作者の心の闇など…そういった部分を詳しく読み解くと、ただ「きれいな絵」「不思議な絵」ではない、名画の裏の顔が見えてくるといった主旨の展覧会です。

なので、絵そのものを見るのはもちろん、原案者の中野京子先生による解説を読むことも必須な展覧会です。

その中で、私が楽しみにしていたのはウォルター・シッカートの描いた「切り裂きジャックの寝室」。

窓の外の明るさとの対比で、暗い部屋の中が立体的に迫るこの絵は、正面から見るとまるで自分が部屋の玄関に立っているかのような錯覚を覚えます。

この絵は19世紀末の殺人鬼「切り裂きジャック」に異常に興味を示していた作者が、ジャックが住んでいたと噂されるアパートの一室を借りて描いたもので、ウォルター自身が犯人だとする説もあるそうです。

もしそうであるならば…と想像をめぐらせると、怖いですよね。

また、ギリシャ神話の一節を描いた「オデュッセウスとセイレーン」は、「美しさ」に恐怖を感じさせる作品でした。

故郷を目指し航海をしていた英雄オデュッセウスは、魔女キルケーの予言により、美しい歌声で人を惑わす怪物セイレーンの棲む島を通り抜けなければならないことを知りますが、セイレーンの歌を聴きたいと願うオデュッセウスは耳を塞がず、自分を船の帆柱に縛り付けさせます。この絵には、まさにセイレーンたちがその歌声を響かせながらオデュッセウスの船を襲っている瞬間が描かれています。

 

 

案の定歌声を聴いたオデュッセウスは誘惑に負けて暴れており、力の強そうな部下に押さえつけられているのですが、この美しさなら魅了されても仕方ない…と妙に納得してしまいます。

セイレーンの美しさはもちろん、風や波の音が聞こえてきそうな臨場感あふれる海の描写も素晴らしいです!

展覧会の目玉である「レディ・グレイの処刑」についても触れたいのですが、そちらはぜひ展覧会場で…

展覧会のHPでも章ごとの解説を読むことができます)

東京では今週末(12月17日〈日〉)まで開催されておりますので、お時間があれば…!

 

 

 

余談ですが、私は美術館の展覧会のチラシ(特に裏面)をデザインするとき、こういう図版のパズルのような配置でとても苦労します…